アスファルト防水の保護コンクリートとは?劣化と改修方法
アスファルト防水は、直接歩行などに使用すると損傷しやすく、寒暑による膨張・収縮もあるので、保護する必要があります。
防水層を熱や衝撃から保護し、浮き上がりなどを防ぐ目的で防水層の上に打設するコンクリートのことを、保護コンクリートまたは押えコンクリートと呼びます。
建物の上に重量のあるコンクリートを打設するのはよくないため、通常のコンクリートよりも軽い軽量コンクリートを厚さ6.0cm程度で打設します。
コンクリートは寒暖の差で伸縮を繰り返し、ひび割れたり防水層の立ち上がり部分を傷つけてしまいます。
それを防ぐために、縦横3m程度の間隔で伸縮目地が設けられています。
伸縮目地がないと、夏場に押えコンクリートが膨張する時にパラペット(立ち上がり部分)を押出し、外装を壊してしまいます。
押えコンクリートの膨張と収縮に合わせて伸び縮みすることで防水層に悪影響が出ないようにしています。
伸縮目地の材料には、押えコンクリートに対して密着力が強く、耐候性・伸縮性に優れたものを使用します。
押えコンクリートは、経年や温度変化により劣化します。
コンクリートのひび割れや伸縮目地のひび割れ・剝がれといった症状が起きて、雨水が浸入します。
ただし、隙間から雨水が浸入したとしても、保護コンクリートの下には防水層があるので、すぐに雨漏りするということはありません。
保護コンクリートの改修は、古い防水層を撤去して新しい防水層を施工するか、保護コンクリートの上から新しい防水層を施工する2つの方法があります。
実際には、保護コンクリートを撤去するのは容易ではないため、保護コンクリートの劣化が激しい場合を除き、上から新たな防水層を被せることが多いです。
保護コンクリートを撤去しない場合には、保護コンクリートの劣化部分の補修と伸縮目地周りの処理に注意が必要です。
この下地処理をしっかりやらないと、新しい防水層の破れの原因になります。
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