野地板(のじいた)とは、屋根の一番下の層に位置する木製の下地板のことです。
垂木(たるき)と呼ばれる屋根の骨組みの上に張られており、その上にルーフィングや屋根材が重なる構造になっています。
つまり野地板は、屋根全体を支える「土台」とも言える存在です。
今回の現場では、既存のルーフィングを撤去した後に野地板の状態を確認したところ、長年の雨水浸入や湿気の影響で、部分的に腐食・劣化が見られました。
古い瓦屋根の場合、ルーフィング自体が経年劣化でボロボロになっていることが多く、防水機能を失ったルーフィングの下では野地板が雨水や湿気にさらされ続けることになります。
その結果、木材が腐食・変形し、本来の強度を失ってしまうのです。
このような状態の野地板の上に、そのまま新しいルーフィングと屋根材を施工してしまうと、どうなるでしょうか。
腐食した木材はビスや釘の保持力が低下するため、屋根材の固定が不十分になります。
また、腐食が進行し続ければ屋根の構造そのものが弱体化し、深刻なトラブルにもつながりかねません。
そこで今回行ったのが、野地板の「増し張り(ましばり)」です。
増し張りとは、既存の野地板の上から新しい構造用合板を重ねて張る工法です。
既存の野地板を完全に撤去・交換するのではなく、その上に新しい合板を追加することで、下地を補強・強化します。
既存の板を残すことで廃材の量を抑えられるうえ、施工コストも比較的抑えられるというメリットがあります。
また、二重構造になることで下地全体の強度が高まり、屋根の強度向上にもつながります。