今回の現場では、屋根葺き替えや外壁張り替えの工事に伴い、破風板と軒天の状態も詳しく確認しました。
その結果、破風板・軒天ともに表面の劣化はもちろん、その下地となる木材にも腐食・変形が進んでいることが判明しました。
特に軒天の下地は、長年にわたる雨水の浸入と湿気の影響で木材が腐食しており、軒天材を新しくするだけでは十分な強度を確保できない状態でした。
このような場合、劣化した下地の上に新しい仕上げ材を張っても、数年後には再び剥がれや落下が起きるリスクがあります。
そのため今回は、下地材からすべてつくり直したうえで新しい破風板・軒天を施工するという、根本的な修繕を行いました。
軒天材の施工に先立ち、まず腐食した下地木材をすべて撤去しました。
撤去後に垂木や母屋(もや)の状態を確認し、損傷が見られる部分は補修・交換を行いました。
その後、新しい下地木材を正確な位置に取り付け、水平・垂直を確認しながら固定していきます。
新しい軒天材には、耐水性・耐久性に優れた素材を採用しました。
軒天は常に湿気にさらされる環境に置かれるため、吸水しにくく腐食しにくい素材を選ぶことが非常に重要です。
軒天材は下地にビスでしっかりと固定し、継ぎ目の処理も丁寧に行って仕上げます。
破風板についても、既存の破風板と下地を撤去したうえで、新しい部材に交換しました。
新しい破風板は、屋根材(石州防災S形瓦)の色合いと調和するデザインのものを採用しています。
破風板は屋根の端部に位置するため、外観上も非常に目立つ部位です。
屋根材との色・デザインのバランスを考慮して選定することで、完成後の美観を大きく向上させることができます。
破風板や軒天は、屋根や外壁に比べると注目されにくい部位ですが、メンテナンスを怠ると建物全体にさまざまな悪影響を及ぼします。
破風板が腐食すると、屋根内部(垂木・野地板・断熱材)への雨水浸入の経路となります。
さらに腐食が進行すると破風板が崩れ落ち、落下事故のリスクも生じます。
軒天が劣化・腐食すると、まず見た目が大きく損なわれます。
シミ・黒ずみ・剥がれが目立つようになり、建物全体の印象を悪化させます。
さらに進行すると軒天が脱落するリスクがあり、通行人やお住まいの方への危険も生じます。
軒天の穴や隙間からは鳥・コウモリなどの小動物が屋根裏に侵入し、巣を作ることもあります。
また、屋根裏への雨水浸入が起きると、構造材の腐食や雨漏りにもつながります。
このように、破風板と軒天の劣化は放置すればするほど被害が拡大し、最終的には修繕費用も大きくなります。
早期に発見して適切なメンテナンスを行うことが、建物を長持ちさせるうえで非常に重要です。