スレート屋根(カラーベスト、コロニアル)は屋根材と屋根材の重なり部分に、水分を排出するための隙間があります。
通常の雨であれば屋根材の下側に雨水が浸入することはありませんが、横殴りの雨であれば屋根材の下側に雨水が浸入してしまいます。
浸入した雨水は重なり部分の隙間から排出されます。
ですが、塗装すると、この隙間が塞がってしまい、雨水が排出されなくなります。
また、隙間が狭くなりすぎると、毛細管現象で雨水を屋根の内側に雨水を吸い上げてしまい、防水紙の劣化や雨漏りの原因になります。
この隙間を確保するために行うのが、「縁切り」という工程です。
縁切りには、カッターなどを用いて手作業で行う方法とタスペーサーというものを設置する方法の2つがあります。
・手作業
塗料を3回塗った後に、カッターなどで切れ込みをいれ隙間を確保します。
塗膜を傷つけてしまったり、作業時間がかかるというデメリットがあります。
・タスペーサー工法
下塗りの後に、屋根材の重なり部分にタスペーサーを設置して隙間を確保します。
塗膜を傷つけることがなく、手作業と比べて作業時間が短くてすみます。
そのため、タスペーサーによる縁切りが主流です。
スレート屋根の塗装が原因で雨漏りが起きたということにならないように、縁切りは必ず行わなければなりません。