今回の工事では、七寸丸瓦を使用して「丸伏せ工法」で棟を仕上げることになりました。
丸伏せ工法とは、従来の工法で使用される熨斗瓦(のしがわら)を使わず、丸瓦だけで棟を構成する工法です。
従来の工法では、まず熨斗瓦を何段か積み重ねて棟の高さを出し、その上に冠瓦(丸瓦)を載せるという構造でした。
これに対して丸伏せ工法では、熨斗瓦を省略し、丸瓦を直接屋根の頂部に伏せるように配置していきます。
熨斗瓦を積む工程がなくなるので、工期を短縮でき、費用も節約できます。
さらに、構造がシンプルになることで、将来的なメンテナンスもしやすくなるという利点もあります。
ただし、この工法を採用すると、従来の熨斗瓦を積み上げた棟とは見た目が大きく変わることになります。
そのため、工事を始める前に、お客様にはこの点について詳しくご説明し、施工後の仕上がりイメージもお見せしながら、十分にご理解とご同意をいただいた上で工事を進めさせていただきました。
下地金具と垂木で土台をつくり、その周囲を南蛮漆喰で覆います。
その土台に七寸丸瓦を一枚一枚丁寧に配置し、ステンレス製のビスでしっかりと固定していきます。
従来の熨斗瓦を積み上げた棟と比べると、確かに高さは低くなりましたが、その分だけシンプルで現代的な印象になり、和風住宅の屋根としても違和感のない仕上がりとなりました。
お客様にも完成した棟をご覧いただき、「思っていたよりも良い感じですね」とご満足いただくことができました。
重要な役割を持つ漆喰ですが、残念ながら永久的なものではありません。
紫外線、雨、風、温度変化などの影響を受けて、徐々に劣化していきます。劣化が進むと、ひび割れが生じたり、剥がれ落ちたりして、その結果、雨水が棟の内部に浸入しやすくなってしまうのです。
そのため、定期的な点検・メンテナンスを行いましょう。